失恋の傷を癒すためにあちこちで働き、放浪の旅を続けるノラ・ジョーンズ。
スーパーなアーティストがスクリーン・デビューなんだが・・・
《オーラないやん、普通のネエチャンやん》
よっぽどアルバム・ジャケットのデザインと写真家がうまいんやなぁ。
ウジウジした彼女が、煮え切らない男ジュード・ロウと出会う。
どこに行ったか分からない彼女を求めて男はあちこちのレストランに
電話をかけまくる。そのころ彼女はウジウジした元夫婦や女ギャンブラーに
出会って、一緒にウジウジした人間模様を描き出していた。
《じれったいなぁ、みんなシャキッとせえよ》
これはウォン・カーウァイの英語圏デビュー作品。
『恋する惑星』も遠い昔。富と名声を手に入れてすっかり個人的な世界に
引きこもってしまった彼が心機一転を計ったことが推測される。
『恋する惑星』・・・そうだ、彼は新たなスタートを切るに当たって
その原点ともいえる、最も得意とするウジウジした恋愛や人間模様で
再勝負をかけてきたのだ。まさに出世作のセルフ・リメイクとも言える作品。
だからこそ、その方程式にはまるキャスティングを成立させるためにも
ヒロインに歌姫ノラ・ジョーンズの存在が必要だったんだろう。
ただ、当時は金城武もフェイ・ウォンもみんな若かったし、感覚もポップ
だったからウジウジした恋愛も可愛く思えたが、ここではすっかり大人。
ウォン・カーウァイの音楽の好みも渋くなっちゃって、残念ながら
以前のようなムーブメントにはつながらないだろう。 |