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シネマライナー

マイ・ブルーベリー・ナイツ   08/03/22 放送

失恋の傷を癒すためにあちこちで働き、放浪の旅を続けるノラ・ジョーンズ。
スーパーなアーティストがスクリーン・デビューなんだが・・・
《オーラないやん、普通のネエチャンやん》
よっぽどアルバム・ジャケットのデザインと写真家がうまいんやなぁ。

ウジウジした彼女が、煮え切らない男ジュード・ロウと出会う。
どこに行ったか分からない彼女を求めて男はあちこちのレストランに
電話をかけまくる。そのころ彼女はウジウジした元夫婦や女ギャンブラーに
出会って、一緒にウジウジした人間模様を描き出していた。
《じれったいなぁ、みんなシャキッとせえよ》

これはウォン・カーウァイの英語圏デビュー作品。
『恋する惑星』も遠い昔。富と名声を手に入れてすっかり個人的な世界に
引きこもってしまった彼が心機一転を計ったことが推測される。
『恋する惑星』・・・そうだ、彼は新たなスタートを切るに当たって
その原点ともいえる、最も得意とするウジウジした恋愛や人間模様で
再勝負をかけてきたのだ。まさに出世作のセルフ・リメイクとも言える作品。
だからこそ、その方程式にはまるキャスティングを成立させるためにも
ヒロインに歌姫ノラ・ジョーンズの存在が必要だったんだろう。
ただ、当時は金城武もフェイ・ウォンもみんな若かったし、感覚もポップ
だったからウジウジした恋愛も可愛く思えたが、ここではすっかり大人。
ウォン・カーウァイの音楽の好みも渋くなっちゃって、残念ながら
以前のようなムーブメントにはつながらないだろう。




デッド・サイレンス   08/03/22 放送

ジェームズ・ワンとリー・ワネル、といえば『SAW』のコンビ。
このところ製作総指揮とか、企業人としての活動が主体だった彼らが
久々に監督・脚本コンビで現場復帰を果たした。今度はどんな見事な仕掛けと
アイディアで恐怖を映像化してくれるのか・・・
それだけで注目、そして、そこしか興味はなかった。
が、一言で言うと《あんたら、オカルトに逆戻りするんかい》
『SAW』は理詰め理詰めで怖がらせた。そこが新鮮だったし、面白かったし、
それでこそのジェームズ・ワン&リー・ワネルだと思っていたんだが、
彼らが満を持してやりたかったことはすごく古典的恐怖映画だったわけだ。
ちょっとガッカリ。
古典へのオマージュも分かるんだが、やっぱり観客は『SAW』の再来を期待
してしまうし、まずは復帰第1作で観客が待っているところに待っているボール
を投げてやることが大切だったんじゃないだろうか。
この映画、その次に作っても遅くはなかったはずだ。




カンフーくん   08/03/22 放送

カンフーくんは少林寺三十六房で35人を倒した。お前の最後の敵は日本にいる、
と言われて彼は老師のパワーで空高く舞い上がり日本に飛ばされる。
《パスポートとかどないなっとんねん 不法入国やん》
そんな次元のツッコミをこの映画は一切受け付けない。
辿り着いたところは泉ピン子が切り盛りする中華料理屋「ニュー幸楽」
《橋田先生は何も言わんかったんか》
小学生役でなんと元モーニング娘。の矢口真里が出てくる。
《安物の風俗店かよっ・・・いや、意外と違和感ないやん》
そんな大人の視点で面白がることもできるが、いかんせん、全体が子供向きの
ファミリー・ピクチャーの様相を呈してきて、笑うに笑えなくなる。
悪者は日本を支配するためにゲームソフトで子供たちを洗脳しようとするのだ。
《ショッカーが幼稚園のバスを占拠するのと同じ発想かよっ》
この日、別件で打ち合わせがあってスーツを着て試写会に行ったんだが、
そんな服装でこの映画を観ている自分がおかしくてならなかった。

全体の作りは昔、関西テレビで放送していた宝塚映像のドラマのまんま。
子供たちが主人公で、大人がそれに付き合っている感じで、それが狙い
なんだろうが、正直、スクリーンで見せられると辛いものがある。
主人公のキャラにインパクトがあるんだし、もう少し大人向けのストーリーで
作った方が良かったんじゃないだろうか。