誰が印象に残ったって、
賞レースを離脱したジョージ・クルーニーでもなく、
助演女優賞を獲ったティルダ・スウィントンでもなく、
狂気の世界に入り込んでいくトム・ウィルキンソンだった。
この映画を考えて、まず思いつくのは助演男優賞部門だろう。
ところが、間の悪いことに、今回『ノーカントリー』があったため、
あのオカッパ頭の殺し屋が存在したため、彼の影は一気に薄くなってしまった。
その逆にティルダ・スウィントンは儲け役だったと思う。
横並びに強力な対抗馬もなく、なんとなく票が集まったって感じか・・・。
だって、彼女の見せ場はクライマックスのワンシーンのみ。
あそこの存在感だけでオスカーをかっさらっていった、みたいなものだ。
つくづく賞の行方ってのはタイミングなんだと思った。
薬害とか、企業倫理優先の世相とか、今という時代を描きつつ、
静かな熱血漢が正義を貫く姿を描く。
主人公の名前はマイケル・クレイトン。
《ややこしい名前や》
ちなみに小説家で有名なのはマイケル・クライトン。
監督はボーン・シリーズの脚本家として名を馳せたトニー・ギルロイ。
普通、脚本家とか原作者が監督業にしゃしゃり出てきたら悲惨な結果に
終わることが多いのに、彼の場合は処女作にしてなかなかの手腕。
ここではたと気づいた。
主人公の名前をマイケル・クレイトンにしたのは某小説家に対する
ブラックな当てつけではないだろうか・・・? |