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シネマライナー

つぐない   08/04/19 放送

主演はキーラ・ナイトレイとジェームズ・マカヴォイ。
海賊映画のヒロインと、半人半獣の兄ちゃんの映画がゴールデン・グローブ賞や
アカデミー賞で話題になるなんて、新時代の到来か、世代交代の象徴か。
ただ、話題になるのも納得。観終わって2人が繰り広げる大メロドラマ、
大長編大河ドラマに心酔している自分がいた。

幼い妹が庭師のお兄ちゃんに淡い恋心を抱く。
でもお兄ちゃんは彼女のお姉ちゃんと激しく身悶えながら愛し合っている。
妹は性に目覚めていないので、お姉ちゃんがお兄ちゃんに襲われていると
思いこむ・・・まぁ、厳密に言うと合意の元で襲われているようなもんだが、
・・・そんな誤解が3人の運命を動かし、その後、生涯にわたって
3人を苦しめることになるのだった。

静かな英国式庭園を背景に、激しく揺れる感情、ほとばしる激情が描かれる。
静と動が混在する前半。そして時代が移り変わると共に背景も大きく変化する。
ジェームズ・マカヴォイが行き着いた戦場のシーンは圧巻。
ステディカムが移動しながら悲惨な状況を追いかけていく。
これが驚くべきことにノーカットの長回し。
そしてラストの仕掛け、一瞬、観客に「えっ?」と思わせるトリッキーな
手法を用いつつ、最後には大いに納得させてくれる、実に映画的演出。
久々に「イイ映画を観たなぁ」という満足感でいっぱいになった。




NEXT   08/04/19 放送

前述の『つぐない』と比較するのもどうかと思うが
「こんなに薄っぺらい95分があっていいんだろうか」というぐらい
お気楽な映画。ニコラス・ケイジがギミック丸出しの長髪を
風になびかせていた段階で「ウソっぽーい」と声をあげてしまった。

彼はしがないマジシャン。2分先の未来が予見できる超能力を身につけており、
その能力を利用して目立たず小銭を稼いで日々の生活を過ごしている。
《なんちゅう志の低い奴や》
ところがこの設定を説明する冒頭部分が実にスリリングな演出。
一気に世界に引き込まれていく。
さあ、問題はそんな彼にFBIが目をつけて、核爆弾を探して欲しいと
依頼するあたりから物語が一気に薄っぺらくなることだ。

デタラメな設定がどんどんデタラメに思えてくる行き当たりばったりな展開。
話を進めるためにオネエチャンがすぐHしたり、アクションを見せるために
すべてがお膳立てされたり、そして極めつけはクライマックス。
崖の上から岩がゴロゴロ落っこちてくるんだが、これがまたギミック丸出し。
《髪の毛もアクションも合成かっ 本物は何もないのかっ》
しかも、このオチの付け方がとんでもない反則技!!!
試写室の中の人が一斉に「えええええっっっっ」と声をあげるほど仰天のラスト。

この映画に NEXT はないわなぁ・・・。




銀幕版スシ王子! 〜 ニューヨークへ行く 〜   08/04/19 放送

この番組ではすっかりおなじみ、堤幸彦監督へのインタビューをお送りした。

ドラマが好評で映画になった、のではなく、まず映画の企画がありきで、
それを盛り上げていくためにドラマが作られた、という珍しいパターン。
堤幸彦監督らしい遊び心がいっぱいなんだが、ドラマでもたいがい客を
ほったらかしにしていたのに、映画で通用するんだろうか、というのが
業界関係者の見方だった。

ジャパニーズ・フードの代表格にのぼりつめたSUSHI。
個人的には監督の言いたかったことは最初の10分ぐらいで完結していた
ように思う。ヘルシー・フードでありながら、まったくヘルシーな食べ方を
されていない、日本人の目には奇妙にしか映らない不思議なギャップ。
そこにツッコミを入れる映画はさしずめSUSHI文化論のようだった。
そして、それに見合うようにネタを選び、ツッコミ満載のアクションや
ドラマを握っていく。この映画自体が【SUSHI】なのである。

結果は・・・関係者の不安が的中だったようだ・・・。