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他にも松村さんには2006年の予測をしてもらっていましたが?
「2月に大雪が降りましたよね。私の田舎の広島でも平年は30センチぐらいの雪が70センチぐらい積もりましたけど、長野でも豪雪になりました。これは前の年の『冬は冬らしく、めりはりのきいた年になる』という予想の通りになったわけです。
で、そんなに台風は多くはなかったんですが、変な突風が吹いたりしました。私も旧暦カレンダーを発行して20年になりますが、これまでにこんな気象が起きることはなかったですね。昔も飢饉がありましたけど、いわゆる異常気象が旧暦で予測できるかと言うと、できないと思います」
ただ、広い意味での気象の傾向はわかるということですね?
「そうです。秋が長いということは冬の入りが遅れてくると、昔の人はよくわかっていたんですね」
2006年夏は、九州や山陰、長野で豪雨もありましたが、この予想はどうでした?
「繊維業界で旧暦を普及させるという活動を長年されてきた小林弦彦先生(元倉敷紡績)が、旧暦の予測をするために1000年近くのデータを持っておられて、閏7月の入った年がどんな年だったかということを300〜400年分遡って見ると、2006年は夏が異常な年になるなということはわかるんですね。だけどその程度しか旧暦ではわからなかったと言っていますね。だから果たして正確に全部がわかるかというとそうではない。
ま、人間が作った暦ですから、その通りに自然がなるわけがないですね(笑い)。これは太陽暦でも同じだとは思いますけど」
それから松村さんによると2006年の桜の開花が早まるということでしたが、これも調べてみたら東京でソメイヨシノが10日ほど早く咲いたという結果でした。
「そうですか(笑い)。旧暦は科学的ではないと言われますけど、じゃあ『科学とは何?』ということにもなりますね」
昔は旧暦も科学的な予測であったということじゃないんですか?
「精密な統計学から旧暦はきていると思いますね。何千年という統計を取って、結局、農業の暦を作ろうと思ったら太陽だけでは上手くいかなくて、動植物のバイオリズムに月の引力が大きく影響しているのではないかということを昔の人は体験的に知って、それを元に旧暦を作ったのではないかとしか思えませんね」
旧暦の気象の的中率はどうですか?
「私が研究した20年間では75%ぐらいですかね」
ずいぶん高いですね! 現在も気象の予測が出されていますけど、それと比べても75%ですか?
「旧暦と現在の気象予測を比較することはできないと思いますね。
昔の人は、日本の属する温帯モンスーン気候での四季の変化は旧暦に則ってやって来るんだと思って、ずっと続けてきたわけですよね。その証拠に、西暦604年に旧暦が使われ始めて70〜80年経った頃に白鳳・天平時代という文化が栄えましたけど、これもデータを調べて見ると、2.5倍ぐらい農作物の収穫量が旧暦導入の前より上がっているんですね。だから旧暦の暦を使うというのがそれだけ効果があったということですから、やはり旧暦の農暦としての面目躍如ということになったと思いますね」
それだけ生活に非常に役立つ旧暦が、何故現代に生かされないのかと思いますが、気象予報士に『旧暦を予測に使っていないんですか?』と尋ねたら、『旧暦なんてナンセンス』という答えでした。
「私も15〜16年前に気象庁に聞いたら、『ノーコメントです』と言われました。農協の人に聞いても『旧暦なんかに頼っているから日本の農業はダメになったんですよ』と逆に言われました(笑い)」
でも松村さんが言われるのは、旧暦を活かせばもっと農業も発展できるということですよね?
「なぜそんなデータしか日本にないのかと思って調べてみると、明治5年に、富国強兵、文明開化という国の方針を進めていく時に、いわゆる東洋の中の日本では具合が悪いと。早く西洋の文明を採り入れて植民地にされないようにしなければということで旧暦を止めてしまったんですね。
でも良く調べてみると、当時の日本は農業国ですから、『旧暦を農暦として残しておくべきだ』と言った当時の学者はかなりいたんです。その人たちを御用学者から外してしまったんですね。その結果『旧暦害悪論』しか残らないことになり、それが今まで尾を引いて、学校では旧暦を教えないわけですね」
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