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今年はいろんな百貨店が統合したのですけれど、経営統合する大丸と松坂屋、阪急・阪神、大阪駅ビルに来る予定の三越と京都駅にある伊勢丹なのですが、まず大丸と松坂屋の(経営統合の)メリットは何でしょうか?
「一番大きなメリットは、規模のメリットです。売り上げ規模が1兆円に達するということで、そのことによって仕入れ力を強化するとか、あるいはさまざまなコスト削減、例えば、倉庫や人件費。どちらかというと我々消費者の目に見えるところよりも、見えないバックヤードのところ、倉庫や仕入れ、物流のコスト削減が大きく図られるのではないかと思います。
そしてもう1点隠れているメリットがありますが、これは大阪の人にはあまりピンと来ないのかもしれませんが、東京の一流の百貨店というと、銀座にお店があるということなんです。大丸は関西ではよく知られた、なじみ深い百貨店ではあるのだけれども、東京ではあまりメジャーではないのです」
それが大阪に住んでいると、あまり感覚として分からないのですが。
「その最大の理由は大丸が銀座にない、あるいは有楽町地区にないということが挙げられるのです。松坂屋というのは名古屋を本拠とする百貨店でありながら、実は銀座にも店舗を持っているのです」
大丸にないものがあるわけですね。
「そうすると大丸にとって見れば念願の銀座進出を果たせるという部分があると思います。ですから大丸と松坂屋を比べてみると、決してこれは対等合併ではないです。どちらかというと、大丸がある意味で吸収するような形になるのですが、なぜ松坂屋なのかというと、そういったところも念頭にあったのではないかと思います」
松坂屋にとってのメリットはあったのでしょうか?
「やはり松坂屋はこのままいっても、周囲がどんどん大型化していく中で、ジリ貧になってしまう。この銀座地区というのは非常に競争が激化しているのだけれども、その中でも松坂屋はこのままでは地盤沈下を招きかねないというところから、やはり規模のメリットを追求したということになると思います」
関西人にとっては一番ショックな、衝撃が大きかった阪急と阪神の合併。これは今どうなのでしょうか?
「これは企業カラーが全く違う、真逆の百貨店(同士)でしたから、非常に庶民になじみの深い阪神百貨店と、どちらかというと高級志向の阪急百貨店ということなのですが、ただこの事情としては、小売、百貨店側の事情というよりも親会社、鉄道会社の経営統合に伴っての(百貨店の)経営統合と考えてもらっていいと思います」
まだそれぞれのメリットというところまで達していないと(いうことでしょうか)?
「ええ。まず経営統合ありきだったのだろうと(思います)。その上でどうやってこれからメリットを出していくのか、ビジネスモデルを新たに組み立てていくのかということはこれからになると思います」
なるほど。大阪駅に来る予定の三越と京都にある伊勢丹。こちらも大阪に住んでいるとなじみがないのですが、それぞれのメリットはどうなのでしょうか?
「やはりこれは商圏、商業のマーケットを考えて見ますと、東京系の百貨店にとっても関西マーケットは無視できないのです。ではある意味でアンテナをどこに立てるのか、要するに伊勢丹・三越のショーウィンドーをどこに作るのか。これから近畿地方のビジネスモデルを組み立てていく上では、やはり大阪の一等地に出す必要がある。
先ほど銀座の話をしましたが、大阪にとって東京の銀座に当たるところはどこなのかを私も考えてみたのですが、キタとミナミしかないと思います。やはりこれから大規模な再開発が進んでいって、新たに大きく発展を遂げる場所は大阪駅の北ヤード、梅田の北側なのです」
まさに今あそこはゼロですからね。
「ええ。これからどう発展を遂げ、再開発されていくのか。いずれにしてもここが情報や流行の発信地になるであろうことは間違いない。だとしたらぜひともここに店舗を1つ出すということが、百貨店経営者にとってはメリットがあったのだと思います」
なるほど、こちらは攻撃的な(経営統合)?
「ある意味で梅田の北側というのは、百貨店にとってこれから最激戦地になってくると思いますね」
そうですね。今現在ある阪急、阪神、大丸が警戒しているということは取材をしていても確かに感じます。
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