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さて前回は、いま農家を襲っている問題の1つに肥料の問題があるということがありましたが、どういうことですか?
「まず、肥料というのは2種類あるということを高橋さん、わかりますか?」
有機肥料と化学肥料ですよね。いわゆるたい肥とかを使った天然の有機肥料と化学的に作られた肥料ですよね。
「ただ、これをどのように使われているかといいますと、自分たちが手塩にかけて育てる分だけ、非常に手間がかかる。だから自然に近い形で作られるのはやはり有機肥料を使って作られるということになります。
実際に買う消費者の方もこれは覚悟して、お金はちょっと高いですけれども、買われる方も多いと思います。
一般的なものは化学肥料。なぜ化学肥料が使われているかというと、収量予測がつく。つまり、どれだけこの肥料を使えばとれるか、野菜が獲れるか、米が獲れるかわかるということなのです。」
均一に収穫できるのですね。
「そうです。なぜそれをしなければいけないかといいますと、例えばスーパーなどが買い付けをしますよね、農家に対して。その時には同じような大きさのトマトやナス、キュウリ、お米もそうです。それをどれだけ仕入れることができるか、それに合わせなければならないということがあります。」
同じ規格のものを作っていかなければならない。
「そのために化学肥料を使わざるを得ないということなのです。それから化学肥料を使って、結局収入を安定させるというのはどういうことかといいますと、農業をするには、種とか苗などがいりますよね。それからいま言った肥料もいります。
それ以外に例えば、田んぼを耕す機械が必要です。機械を動かすためには燃料が必要。こういうもののためのお金、運転資金、資材費といわれるものなのですが、これを確保するためということになると、どうしても化学肥料ということになってしまいます。」
なるほど。
「ところが化学肥料の価格にいま、異変が起きようとしているのです。詳しい話を農業問題に詳しい民俗研究家の結城登美雄さんに伺っています。」
結城さん: 「化学肥料の中の窒素(ちっそ)、リン酸、カリというこの3つが3大肥料といわれますけれども、これがここにきて、この1年くらいの間で(値段が)2〜3倍くらいに跳ね上がっていますね。」
阿部記者: いま、おっしゃった窒素(ちっそ)、リン酸、カリという物質ですが、これは日本国内では採れないということなのですか?
結城さん: 「少なくとも、リンやカリは難しいですね。」
阿部記者: それでは輸入に頼らざるを得ない。
結城さん: 「そうですね。確かリン鉱石というのは、世界に輸出しているのはアフリカのモロッコが半分を占めていると思います。そういう意味で、ロシアとかカナダ、中国もそれを持っているのです。
中国が人口13億で、農業が少し減っているために、食糧を安定させるために、どうしても国内農業を充実させるんだとなると、肥料があるからあんまりリン鉱石を自国のために使うために、海外への輸出を制限しなさいと輸出税をかけていくと、それに呼応してさらにそういう肥料の値段が上がっているというジレンマが、日本の農業にジワジワと、あるいはこれからひたひたと襲ってくるだろうなと思っています。」
「結城さんがおっしゃるように化学肥料の原料となるものが輸出されなくなった。日本では採れない。だから海外からそれを受け取らないと、日本では農業が成り立たないのだ、という状況になってくるわけです。」
価格がこの1年で2〜3倍とおっしゃっていましたけれども、もう影響がすぐに出てしまうのでしょうか。
「そうなんです。それがどうやら今年の後半、来年の春先くらいから影響が出ると。値段がそのまま肥料の価格が転嫁、詰まり物の値段にプラスアルファされるということになると、消費者が買う物の値段は、例えばいま、キャベツ1玉がおよそ200円ですよね」
それでも高いですよ。
「これが倍になるとすると」
400円ですか?
「可能性もあるということです。」
とんでもない状況ですね。
「そういう状況になってくる。そうなると農家の方の中から、『もう農業をやめた』という声が出てくるかもしれません。『農業やめた』という理由が実は人手だけの問題ではないのです。資金の問題なのです。」
資金、ですか。
「つまり日本の農業というのは、これまでおじいさん、おばあさんが担っていたという人手だけの問題ではなく、資金の部分、高齢者の方の年金をつぎ込んで、農業に従事していたという方も結構いたのです。」
そうだったのですか。
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