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今日は気になる経済のお話をうかがいたいと思います。私達はどうも不景気という感じがしますけれども、いろいろな数字を見ていると、例えば鉱工業生産指数は、前の月に比べて上昇するとか、それからアメリカ経済も去年の10〜12月期は好調だったりとか、どうも上向いてるような空気も出てきている気がするのですがどうでしょう。
「そうですね。昨年末のアメリカの経済成長率は年率で5.7%ですから、結構好調ということになりますよね。また失業率もいま少しだけ低下しているということですが、おそらくこれはアメリカ政府の景気対策の効果であって、問題となっている住宅市場は冷え切ったままなのです」
そもそも金融危機の元となった住宅ですね。
「いわゆるサブプライムローンと言われるものですけども、その住宅の着工件数もピーク時のまだ4分の1ですし、住宅ローンの延滞や差し押さえも増えているわけですから、結局サブプライムローンの不良債権化は止まっていないと言えるわけです」
いまのはアメリカの話で、アメリカは全然サブプライムローンの問題から危機を脱していない。
「そういうことです。この問題が起こって、アメリカ政府とか中央銀行=FRBといわれるところが大量の資金を供給して、銀行をつぶさないようにということで、お金を貸したわけです。ですからいまの銀行にはお金はあるわけです。お金はあるから、とりあえず支払い不能になることはありません。
ところが、不良債権を持っている。不良債権を処理しなければならない。不良債権の処理をしようと思ったら、自己資本がなくなっていきますから、最終的には倒産というリスクはあるわけです。だから証券価格が暴落して、本当に金融機関が潰れるまで、かなりのタイムラグがあるわけです。日本の場合だったら、1991年にバブルが崩壊して、1997年に山一證券とか大手の証券会社や銀行が潰れていく。つまり6年間かかるわけですね」
そういわれてみればそうですよね?
「その間タイムラグがあります。その間ずっと銀行も頑張るわけです。ある程度頑張るのだけれども、最終的には資本がなくなってしまって」
持ちこたえられなくなってしまう?
「はい」
となると、いま私たちは本当に近々の数字だけを見て、良くなった悪くなったと考えるべきではないですね。アメリカを見ると。
「そういうことになります」
あの金融危機、サブプライムローン問題が発生しましたけども、そもそもあの金融危機に至ったのは、どういうことなのだろう。なぜ世界的な恐慌的状況になってしまったのだろうとひとつ思うのですが。
「これについては、まずアメリカの貿易赤字の問題があるわけですね。1980年代くらいから巨額の貿易赤字をアメリカは出し続けているわけです」
いわゆる双子の赤字と言われていた財政赤字と貿易赤字。
「そうですね。貿易赤字を出すということは、ものを買うのだけれども買うお金がないから、借りるわけです。つまり赤字国というのは、黒字国からお金を借りないと貿易赤字(を穴埋めして財政の安定)が維持できない。ということは、借りたお金を今度は何らかの形で運用して返さなければならないということになる。
いまのアメリカは巨額の貿易赤字を抱えておりますけれども、それ以上の資金を世界中から集めているわけです。サブプライムローンみたいな複雑な金融工学のテクニックを使って、いろいろ有利な金融商品を使ってそれを全世界に売りさばいているわけです。それでアメリカは儲かっているわけです。アメリカの主要産業は、いまでは金融産業、金融業です」
たとえばアメリカといいますと、自動車を造って売ったりとか、それからものづくりとか。農業もあるでしょう?と思うのですが。
「アメリカの国内総生産に占める製造業のシェア・割合は12.9%しかありません」
たったそんなものですか?
「そんなものしかないです。逆に金融、保険、不動産のシェアは、33.1%です」
3分の1ですか!
「いまのアメリカというのは、世界中から資金を集めているのです。国内とか国外に投資をして、高い収益を得て儲かっている。だからアメリカの企業収益の半分は金融業が生み出しているのです」
企業もそうですか。では金融危機というものは、アメリカのそのような金融業に頼っていた体質が生み出してしまったと言える。
「いまアメリカは、次から次へと新しい金融商品を作って売りさばいていかなければならない。でないと人からお金を借りる事ができなくて資金を集めることができない。そのような状況に陥っているわけです。その中から、サブプライムローンというのも出てきた」
まだまだアメリカの話をしますけども、となるとその構造はなかなか変えられないものだと思うので、今後もそのような主義を貫いていかなければ、アメリカはやっていくことができないですよね。
「本当はそうだと思います。でもいまオバマ大統領が金融業に対して規制をかけようとしています。これがどんな影響を及ぼすのか。つまりいまのアメリカは、金融大国ですから、金融業が主流なものですので、その金融業の活動に対して制限を加える。それが果たしてどのような効果をアメリカ経済にもたらすか。もしかすると、アメリカの強みをわざわざ捨ててしまうことだってありえるのです。そこは心配の種ですね」
先日アメリカの議会では、大もめにもめていましたね。
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