ぴたっと・ジャーナル

放送日:2011年1月13日(水)

寒い日はワインの王道、ボルドーワインで暖まろう!

ゲスト:
ワイン研究家・大塚恵仁さん(ワインエキスパート)

(マコーマック)きょうはワイン研究家で、日本ソムリエ協会認定のワインエキスパートの資格をお持ちの大塚恵仁(おおつか・えに)さんに、スタジオに来ていただきました。
 大塚さんには、去年11月、12月の2回にわたって、このコーナーでシャンパーニュ(シャンパン)の魅力について語っていただきましたが、きょうは寒い日にうってつけの赤ワイン、それもボルドーワインについてお話しをしていただけるということですね。

(大塚)「はい、そうです。赤ワインはポリフェノールなどで健康に良いと言われていますけれども、それも今日はボルドーワインを飲んでいただいて、寒さをつかの間忘れていただければと思います」

(マコーマック)でもボルドーと言えば、ワインの本格派というイメージがあるのですけれども。

(大塚)「そうですね。高級ワインの代名詞として、ブルゴーニュワインと双璧をなすと言われており、特にこのボルドーの赤ワインは、ワインの女王とまで言われています」

(マコーマック)女王ですか!

(大塚)「連日こう寒いと、特に温かいお料理としっかりとした濃厚な味わいのボルドーワインのマリアージュ(相性)は最適だと思います」

(マコーマック)マリアージュ!なるほど。このボルドーという名前はどこからきているのですか?

(大塚)「シャンパーニュがシャンパーニュ地方と申し上げたと思うのですが、このボルドーもボルドー地方からきています。リスナーの方々には地図をお見せできませんので、きょうはチャルさんにご協力いただきたいと思うのですが、ちょっと立っていただけますでしょうか。この胴体の部分をフランスの地図と考えてください。ちょうど五角形のような感じになります」

(マコーマック)リスナーのみなさんも、ぜひ体の胴体を想像してくださいね、上半身。

(大塚)「ちょうどチャルさんはネクタイをしてらっしゃいますから、その結び目のあたりをパリと考えていただくと、鎖骨の左の下あたり」

(マコーマック)私たちから見たら、右でいいのですかね。

(大塚)「そこがシャンパーニュ地方ですね。そしてチャルさんの右脇腹、ご自身の右の脇腹あたりがちょうどボルドー地方になります。その脇のあたりは大西洋になりますので、だいぶん海に近い沿岸部になりまして、海洋性気候で、沿岸でとても暖かいです。雨が多いところですが、そんな場所になります」

(マコーマック)チャルさん、ありがとうございました。

(大塚)「ありがとうございました」

(マコーマック)大塚さんは以前この番組で、シャンパーニュというのはいくつかのぶどうの品種から作られていると説明されていましたよね、数種類の品種のぶどうを使うと。

(大塚)「そうですね」

(マコーマック)ボルドーワインはどうなのですか?

(大塚)「そのとおりでこのボルドーワインの大きな特徴も、そのように調合する、アッサンブラージュと言います。複数のぶどう品種からできた、品種の違うワインと畑の違うワインなどを組み合わせることによって、その相乗効果によって、うまみをより追求しているのです」

(マコーマック)でもワイン作りは全世界に広がっているじゃないですか。日本でも作っていますよね。

(大塚)「そうですね」

(マコーマック)ボルドーワインは、その中でも特別な存在と言われていますよね。

(大塚)「そうですね」

(マコーマック)これはなぜですか?

(大塚)「まずフランスワインは、非常に歴史が深いです。そして、ワインの生産量はイタリアといつも競争するのですが、世界でも1位か2位。さらにその中でもこのボルドー地方というのは、フランス内での等級の高い、優良なワインが特に集中している場所です。それがわかりやすい例として、このボルドーの中にはメドック地区というのがあります。例えば、シャトーマルゴーと言うと、ワインをあまりたしなまれない方でも聞いたことがあるかと」

(マコーマック)名前は聞いたことがありますね。

(大塚)「非常に高級なワインの代名詞ですが、このシャトーマルゴーは、メドック地区のマルゴー村の1級に格付けされています。この格付けは、実はさかのぼりまして1855年のパリの博覧会のときに、ナポレオン3世の命でその当時の売買価格やシャトーの名声や畑の土壌、その質、それを元にランク付けしたものなのですが、これがいまでもほとんど変わらず受け継がれています」

(マコーマック)気候はその当時からずいぶん変わっているでしょうけれども。

(大塚)「おっしゃるとおりです」

(マコーマック)ランクも変わらず。

(大塚)「そのままなのです。何度も見直しがされるというお話しはあったのですが、そのままになっておりまして。ですからおっしゃるとおり、現在の市場の価格とその等級は、必ずしも見合ってはいるわけではありません」

(マコーマック)なるほどね。

(大塚)「あくまで指針にしていただいたらいいかと思います」

(マコーマック)でも高級というイメージがすごくあるのですけれども、いま私たちの目の前に、前回シャンパーニュの時もAとBの2種類を出していただきました。きょうも同じようにAとBの赤ワインが並んでいます。大塚さんこれは?

(大塚)「2人にもボルドーをよりよく知っていただきたいと思いまして、ボルドーワインとそうでないワイン、つまり、ちょっと対照的なものを用意してまいりました」

(マコーマック)これは、どの2種類ですか?

(大塚)「まずちょっと香りをかいでいただきましょうか。これは事前にお2人に香りをかいでいただいていますので、Aの方からまずいかがでしょうか?先ほどかいでいただいたものと、それほどAの方は変化がないのではないでしょうか」

(マコーマック)何か軽い感じの。

(大塚)「そうですね。少しキャンディーのような香りも感じられるかと思います。すごくフルーティーで」

(マコーマック)飲みやすそうなイメージがあります。

(大塚)「色合いの方もBに比べて、若干、紫がかっているかと思います。明るい色合いですね。これはこのワインが若いということを意味しています。それに対してBの方ですけれども」

(*香りをかぐ音)

(大塚)「あまり吸い込まれない方がいいかと思います(笑)」

(マコーマック)鼻の中に入りそうやったよ、ワインが(笑)。

(井之上)吸っているということを、リスナーのみなさんにわかってもらいたいなと。

(大塚)「すばらしい。ありがとうございます」

(マコーマック)香りにも重みを感じるというか、しっかりしていますね。

(大塚)「そうですね。先ほど1度アッサンブラージュ、複数品種のブレンドをしているのがボルドーワインの特徴と申し上げました。今おっしゃったとおり、Bの方は複雑な香りがします。これがボルドーワインです。それに対して非常にわかりやすいフルーティーな香りの方がAになります。では味わいの方も」

(マコーマック)じゃあ、いただきましょうか。まずAからでいいですか?

(大塚)「Aからどうぞ」

(*ワインをすする音)

(大塚)「いい音たてていますね」

(マコーマック)さっぱりと。

(井之上)十分おいしいですね。

(大塚)「フレッシュフルーティといった感じ」

(マコーマック)飲みやすいです。

(大塚)「確かに飲みやすくて、ちょっとボジョレーヌーボーにも似たような。そのような雰囲気ですよね、非常にかわいらしい」

(マコーマック)若さが感じられますね。

(大塚)「Bの方はどうでしょうか」

(*ワインをすする音)

(大塚)「すばらしい」

(マコーマック)舌に乗せただけで、なんとなく渋みをまず感じますね。

(井之上)濃厚な香りが、鼻からふぅっと抜けますね。

(大塚)「いいコメントですね。Bは、ボルドーワインでして様々なぶどう品種をブレンドしているだけあって、非常に香りが豊かです。さらにきょうお出ししたボルドーは、サンテステフというメドック地区の中で北の方なのですけれども、そちらのワインを用意しました。まずAの方は、チリ産のカベルネ・ソーヴィニヨン100%なのですが、このカベルネ・ソーヴィニヨンに対して、Bのサンテステフ(ボルドーワイン)はメルローという品種が多く入れられている地区です。メルローというのがちょっと土のような香りがして、非常にワインに深みを与えていますね」

(井之上)僕メルローよく飲みます。

(大塚)「お好きですか、おいしいですよね」

(井之上)はい、おいしいですね。値段もリーズナブルだし。

(大塚)「そうですか」

(井之上)そんなことないのかな。

(大塚)「いろいろあると思います」

ページのトップへ

(マコーマック)でもボルドーの赤ワインにどのような料理を合わせたらいいのか。
 ついつい濃い肉料理とか。

(井之上)チーズとかね。

(マコーマック)そういったイメージしかないのですけれども。

(大塚)「そうですね。やはり通常赤ワインには肉という感じで、肩肘張って、『きょうはボルドーワイン飲むぞ』と言うと、『肉を用意しなきゃ』、『ステーキを焼かなきゃいけないのかな』と思うかもしれないのですが、実はこのワインいろいろなものに合うので、きょうはお2人にちょっと意外なものをお持ちさせていただきました」

(マコーマック)いやいや。

(井之上)これはちょっと。

(マコーマック)私から紹介しますね。ごぼ天、しば漬け、梅干、これは牛すじですか?

(大塚)「はい。牛すじこんにゃくです」

(マコーマック)一見何も合わない感じがしますけれどもね。

(大塚)「まず一番わかりやすいお勧めなのが、しば漬けです。しば漬けをお口の中に入れて、もちろん飲み込まないうちにボルドーワインを流し込んで、お口の中で一緒に味わってみていただけますでしょうか」

(マコーマック)合っちゃう。

(井之上)合うねぇ。

(大塚)「おいしいでしょう」

(マコーマック)うそやん、と思うけれども、合っちゃっていますね。

(井之上)合いますね。

(大塚)「合うのですよ。よくボルドーのワインは、タンニンと渋みが強すぎて飲みづらいという方もいると思うのですけど、しば漬けを一緒にいただくと非常にさわやかさが出て、さらにしば漬けのツンとした酸味も逆にワインの方でまろやかになる。非常にお口の中でふわっと、フレッシュフルーティーな良い味わいになるかと思うのですけれども」

(マコーマック)これは大塚さんが発見されたのですか?

(大塚)「そうですね。日常的に何が合うだろうと毎日考えながらコツコツと。まさかというものも、絶対合わないだろうというものもいただきながら楽しんでいますけれども」

(マコーマック)じゃあチャルさん、どれかいただきながら。じゃあ私、梅干いただきましょうか?

(井之上)酸味と酸味って合うものなのですね。ワインも酸味があるじゃないですか。

(大塚)「そうですね。穏やかな酸味ですけれども、しっかりありますね」

(井之上)今マコーマックさんは。

(マコーマック)梅干。あらまぁ。合いますね。

(大塚)「この梅干は少し塩分が控えめの、しその風味が少しあるタイプですけれども、それがまた非常に合うと思います」

(マコーマック)梅干がさっぱりしますね。なんでこんなにワインと合うんやろ。

(大塚)「飲みやすい」

(マコーマック)思いつきもしないですよね。梅干とワインなんて。

(井之上)こちらはどて焼きですよね。

(マコーマック)いわゆるすじコンですね。

(井之上)僕、すじコンと合わせてみたんですけど、合います。

(大塚)「合いますか」

(井之上)これは合うかなと思っていました!

(大塚)「そうですか!牛すじの脂がありますよね。脂と赤ワインは非常に相性がいいです。ただきょうのは少し味付けが少し甘かったですかね」

(井之上)そうですね。

(大塚)「もしかするとこれはもう少しワインが熟成した時の方がもっとおいしいかもしれないです。十分おいしいですけれどね」

(マコーマック)ごぼ天もめちゃめちゃおいしいです。

(大塚)「おいしいでしょう」

(マコーマック)うちは、きのうおでんやったんですけれども、ワインにしたらよかったなと後悔するくらい。

(大塚)「特にごぼうは根菜ですよね。土の風味があると思うのですけれども、きょうお出ししたこのワインも土がしめったよう香りがありまして、非常に相性がいいと思います」

(マコーマック)ボルドーワインって、大塚さんがおっしゃったように、きょうは豪華なステーキやお肉やチーズなどの高級な食材と合わせてと思っていたのですけれども、こんな庶民的なものとぴったりマッチするのですね。

(大塚)「そうですね。ボルドーといえば高級ワインも多いのですけれども、テーブルワイン的なリーズナブルなボルドーワインもあります。そういうものもボルドーらしい複数品種の深みや味わいもありますので、幅広くいろいろなお料理に合わせていただけるかと思います」

(井之上)考え方変わりましたわ。

(マコーマック)ボルドーに対してね。

(大塚)「ぜひ、食卓にボルドーワインを」

(マコーマック)肩肘張らずにざっくばらんにボルドーを楽しみたいと思います。新たな発見ありがとうございます。

ページのトップへ

←前の記事 | 次の記事→

ページのトップへ