毎週日曜あさ7時〜放送「堀江政生のザ・シンフォニーホール・アワー」

ザ・シンフォニーホールで行われる公演の聴きどころ、豪華ゲストを招いてのお話をクラシックの名曲とともに、堀江政生アナウンサーの解りやすい解説でご紹介します。クラシック通の方も、クラシックはまったくわからないという方も楽しんでいただける番組です。

堀江ブログ

2022年3月10日ザ・シンフォニーホールの情報誌 「シンフォニア」Vol.50
「堀江政生のシンフォニア・アワー」 vol.50 〜15歳を演じる醍醐味〜 より

3月21日にザ・シンフォニーホールでの初リサイタルに臨むソプラノの伊藤晴(はれ) さんが、堀江政生のザ・シンフォニーホール・アワーにゲスト出演してくださいました。

実は、昨年末の大晦日、ジルべスターコンサートで、ラ・ボエームのミミ、椿姫のヴィオレッタなどを歌っておられて、司会の私、その表現豊かな歌声に感激をしていたのです。
いったいどんな方なのか、どんな練習をされているのか、お話を伺いました。
なんせ、オペラでソプラノというとたいがい主人公。でも、悲劇のヒロインも多い。
ミミ、ヴィオレッタ、アイーダ、そして蝶々夫人。みなさん幸薄いのであります。
その中で歌う愛の歌。晴さんは「どんな悲劇がその後にやってこようと、いま最高の恋をしている!という喜びを歌う」と言います。
イタリア・フランスで声楽を学んだ晴さんですが、西洋人を演じる上で、時間があると海外の映画を観て研究です。そして、気になる女優の仕草を真似してみる。時には、感情移入して思いっ切り、泣く!!
ミミやヴィオレッタが幸薄いだけであって、別段ソプラノ歌手の皆さんが薄幸ということではないのです。当たり前です。そこでそれぞれ工夫して、自分にはない、いろんな人生を自らの心に入れ込んでいらっしゃるようですね。

さて、3月21日。伊藤晴さんだけあって、リサイタルのタイトルは「ある晴れた日に」。
蝶々夫人です。家族から勘当されても愛する異人ピンカートンと結婚。しかし、ひどい仕打ちに遭うバタフライはわずか15歳。
「肉体的にも精神的にも成熟していく一方で、声の技術、感情を操るテクニックで、いつまでも15歳の蝶々さんを演じることができる。まさにオペラの醍醐味と言えるでしょうね。」非常に楽しそうに語る言葉のその先に、晴さんの覚悟が垣間見えた瞬間でした。

2021年12月31日
「ザ・シンフォニーホール・ジルベスターコンサート2021」の出演者との一枚。

▲ページのトップにもどる